ジャン・フォアヤール

1980年代のボジョレー地方では、ワイン生産の工業化が進められていました。しかし、その結果は期待外れであり、その影響は今もなお地域に重くのしかかっています。そんな中、ジャン・フォワヤール(通称プティ・ジャン)は、自分の進むべき道を見つけました。それは「街道を渡ってすぐ」の場所、向かいに住むマルセル・ラピエールのもとでした。マルセルは、ボジョレー・ワインの革新を牽引した象徴的な存在です。

プティ・ジャンをはじめとするヴァン・ナチュールの先駆者たちが直面していた最大の課題は、砂糖を添加せずにワインを造る方法を見つけることでした。彼らは、ブドウ液に糖分を加えなくても良いほど十分に熟したブドウを得るために、雨ざらしの状態でどこまで収穫を遅らせるべきか、思い悩んでいました。自然派ワインにおける最初の闘いは、砂糖を加えない醸造法の確立だったのです。

試行錯誤の末、彼らは無添加のワイン造りに成功しました。しかし、それでも収穫のたびに自然の気まぐれに怯え、恐怖と向き合い続けています。

現在、プティ・ジャンの息子アレックスが、そのバトンを受け継ぐ時代を迎えようとしています。世界を放浪した経験を経て、このワイン造りの世界に飛び込んだアレックス。2016年は彼にとって記念すべき年となりました。特に、ブルイイ(0.5ヘクタール)やコート=ド=ブルイイ(1ヘクタール)で造られたワインは、その味わいの素晴らしさに感動を覚えるほどです。


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