魂を揺さぶるような生きているワインを造る、親子二代で育むジュラ最高峰の血統です。
「ジュラを代表する蔵元」と称されるステファン・ティソのいとこです。
蔵元名はフュメイ(父の苗字)シャトラン(母の苗字)から名づけられました。80年代半ば、ラファエルとアデリーヌ夫婦がジュラでぶどう栽培を始めました。初めはぶどうを販売する事業で生計を立てていました。(販売先はジュラ最大ドメーヌのアンリ・メールなど)
1991年に起きた、ジュラの95%ものぶどうが被害を被った遅霜で、順調だった事業が頓挫しました。それでも諦めず、わずかに残ったぶどうで自分たちのワインを造ろうと奮起し、ドメーヌが始まりました。
ワイン造りの設備などは知人や親戚(父のいとこ、ステファン・ティソも含まれています!)から借り受け、なんとか実現させました。91年のファーストヴィンテージから苦労を重ね続け、99年にはアルボワの隣村モンティニー・レ・ザルスールに念願のワイナリーを持ちました。数年前にはステファンから畑も購入し、現在では20数区画、アルボワと合わせて計17haの細分化された畑でワイン造りを行っています!
畑の標高は300-400mで、17haの畑の80%は泥灰土、20%は石灰岩土壌です。ステファンの畑と同様、ジュラ紀前期のリアス期、そしてそれよりさらに古い三畳紀から成り立っています。
アルボワは年間降雨量1,000mlとフランスでも多雨なエリアで、冬は-10℃以下になることもあり、厳しくかつ長いです。夏季の気温は35℃を超えることもあり、湿度が高くぶどうの防除が必要で、有機農業にとって簡単な気候ではありません。2017年以降、全ての畑をオーガニック栽培に転換し、認証などにはもともと興味がありませんでしたが、マラン参入に伴い、せっかくなので…と現在申請中で2023年から有機栽培認証が取得できる予定です。
師匠は父とステファン・ティソです!若き醸造家、息子マランの素晴らしい手腕もあります。まだまだ現役の父とともに、一層ナチュラルなワイン造りに舵を切った息子のマランは、ブルゴーニュの醸造学校で学位を取得後19歳から両親を手伝っています。醸造家としてオーストラリア、南アフリカなどで多くの経験を積んだ後、ジュラに戻り、ワイナリーを引っ
張っています。
2020年以降、マランの細かな工夫を加えたスタイルが始まり、もともと少なかったSO2の添加量もその時からさらに減りました。その理由は「自分はワインをたくさん飲むから、SO2は少ない方が良い。完璧なぶどうがあればSO2は要らない」というシンプルなものです。ワイン造りの師匠は「父と、ステファン・ティソ!」と語ります。
そんなマランのワイン造りのモットーは魂を揺さぶるような生きているワインを造ることです。「将来的にはフルーツや穀物なども育て、牛を飼い、ドメーヌというよりもファームでありたい」と夢を語ってくれました。自然環境を守るぶどうを育てるからこそ生まれる、土地の味がする正直なワインを造りたいと日々努力しています!